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April 02, 2005

バイロン・キム  『Threshold : Byron Kim 1990-2004』展 3.11-5.8 ロダン・ギャラリー




会場入口。



バイロン・キムは、カリフォルニア出身のコリアン・アメリカンの作家。ミニマムだが偶然性を重視した作風で、韓国国内では2000年の光州ビエンナーレ、休館しているアートソンジェセンターの『KOREAMERICAKOREA』展などで紹介されてきた。今回のロダンギャラリーでの展覧会は、アメリカのバークレー美術館とパシフィックフィルムアーカイブが企画したアメリカ-韓国の巡回展で、抽象画を中心に構成されている。


優しい肌色の小さなカンバスを275個並べた作品『提喩法』は、自分の友人や初めて出会った一般市民の肌の色を1つ1つカンバスに塗ったものである。作品の横には、その肌の色の持ち主の名がカンバスの並びどおりに記されている。人種もいろいろ、一つとして同じ色はなく、肌色に個性があることがうかがえる。しかし肌色とはなんだろう? 英語でも韓国語でも日本語でも肌色はそのまま「肌の色」という意味の語だが、人種の違いはもちろん、我々は皆違う肌の色を持って生まれた。それすらまったくの偶然だ。私たちの持つ「肌色」のイメージ、「肌色」という言葉に対するイメージ、そして実際の自分の持つ肌色、世界中に分布する肌色。それらはおそらくまったくの食い違いを見せるはずだ。




ビルボード。作品は『12ヶ月になったエメット』。



人間の肌をテーマにした作品は多く、『12ヶ月になったエメット』は自らの息子の体のいろいろな部分の色を25個のカンバスに分けて描いている。これらはエメットを構成する色彩であるということだ。また、自分の母親の皮膚の色を大きなカンバス一枚に塗りこめた『ママⅡ』は柔らかさにあふれ、エロティックにも見える。
また、カンバスにゴムのシートを貼り、ゴムとカンバスの間にゴムが耐え切れるギリギリの量まで青い絵具を流し込んだ『Berry Painting』。絵具の重みで下半分のゴムは大きく膨らみ垂れ下がり、まるで臨月を迎えた妊婦の腹のようだ。下方のゴムとカンバスの隙間からは青い絵具が流れ出しており、破水を思わせる。彼は母性を連想させるものにも興味を持っているようだ。この作品は、この展覧会のためにロダンギャラリーで製作されたものだという。


他には、朝鮮半島の青磁の割れた断面に染みこんでいる釉薬の色を大きなカンバス一面に再現した『高麗青磁釉薬』。表面の色でなく、染みこんだ釉薬の色を再現したところに、彼の自分の血に対する思考が読み取れる気がする。

最近の作品からは、同じ地点から眺めた空を日記のように描いた『Sunday Paintings』。ただ淡々と、晴れたり曇ったりの空が描かれ作家の一言が何気なく添えられた同じサイズのカンバス横一列に並んでいる。無常の自然と自分の関わりを感じさせる作品。

全ての作品において、ミニマルな手法で、現代や自らのアイデンティティから複数の問題意識を含ませているところに彼の知性を感じる。




ところで、新しいギャラリースペースを紹介。


サムジーギル・ギャラリーサムジー



オープン当時の展示。


2004年12月に、個人ギャラリーの多く集まる仁寺洞(インサドン)に完成した「サムジーギル」(サムジー通り)というショッピングモール。
店も品物も韓国のイメージを大事にしながら現代風にアレンジしたものが多く売られていたり、一方で若者が小さなブースで小物を売っていたり、仁寺洞らしさを保ちながらも新しい試みを行っている。


この「サムジーギル」の地下に、弘大(ホンデ)にサムジースペースを構える服飾会社サムジーの経営するコマーシャルギャラリーがオープンした。
スペースが小さく展示される作品も小品が多いながらも、若手実力派の作家の展示ばかりを企画しており、見ごたえがある。





イ・スンジュ『この身がお前なら』展より。



2月23日-3月14日は昨年サルビア茶房で独特の個展を行ったイ・スンジュのドローイング展『この身がお前なら』が、3月16日-4月4日はイ・サンウォンの写真展『住宅街夜景』が、6日からはチェ・ジョンファの個展が開かれる。


※6日からはチェ・ジョンファの個展ではなく、チェ・ジョンファ、チェ・ミギョン、真喜志奈美のプロダクト展示会『roomscape』でした。訂正してお詫びします。
また、会期は5月2日までとなります。




資料を提供してくださったサムジーギルに感謝いたします。

Posted by art,seoul at 11:23 PM