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October 12, 2005

『Emerging VI 絶対無敵』 チョ・へジュン シン・チャンヨン展 9.13-11.4 SSAMZIE SPACE




『絶対無敵』展会場。



この頃2人の作家を組み合わせてコラボレーションさせる手法で若手アーティストを紹介しているサムジー・スペース
このペアでの展覧会は『Emerging』(「発展段階」、「新出現」という意)と名付けられ、2000年から毎年行なう恒例のシリーズとなっている。新人作家同士、または中堅以上の作家と新人作家との組み合わせで行なわれている。

6度目の開催となった今回の『絶対無敵』という展覧会名は、力を持ちすぎたグローバリゼーションの象徴に対する称号を意味する。
もともとグローバリゼーションに対する興味を作品に盛り込んできた2人の作品を併置することで、違った切り口を見せている。



 
チョ・へジュンのコカ・コーラのビンを使ったインスタレーション『Play‐Points(red)』


『翻訳への抵抗(Against Translation)』(2005年6月18日-7月10日、トータル美術館。事実上2004年の釜山ビエンナーレ参加作家によるパク・イソの追悼展と言っても良い内容)にコカコーラのロゴの真ん中に鏡を立てたように左右対称の文様を描き出したチョ・へジュン(http://neolook.net/mm05/050913a.htmを参照)。
今回もコカ・コーラをモチーフに作品作りをしている。
コカ・コーラのビンを粉々に砕き、展示場のあちこちにガラスの山を作ってインスタレーションにしている。
照明の当たったガラスの破片はキラキラと輝き、薄いグリーンとラベルの赤のコンストラストを際立たせる。
ちなみに『Play‐Points』とは、コカ・コーラ社の行なったキャンペーン名で、商品を購入するとウェブ上で点数を集めることができ、その点数を使ってゲームや音楽をネット上で楽しむことができるというものだ。
コカ・コーラ社のぶち上げた派手なキャンペーンに対し、まるで墳墓のようなガラスの破片の山は、密やかな輝きを放ちながら静寂を保っている。そしてその差異が、コカ・コーラというグローバリズムの旗印のような企業の力を想起させてくれる。





シン・チャンヨンによる武器の設計図。


 
シン・チャンヨン『Power‐up』(左)シン・チャンヨン展示風景(右)


シン・チャンヨンはまったくの新人で、初の展覧会への出品となる。
ブルース・リーを中心にアニメのキャラクターなど、映像メディアによりアジア的イコンとして世界中に広まったものを絵画で提示する。
アニメのキャラクターをアクリルで描いても、結局セル画的になってしまう皮肉さがある。
また、「『絶対無敵』のもの」=グローバリズムに抗するためのものなのか、想像上の武器の設計図も展示されているが、武器としては個人で使用するしかない銃のみである。
結局グローバリズムに抗するには個人の判断や思想でしか武装できないというこれもまた皮肉なのだろうか。




撮影を許可くださったサムジー・スペースに感謝いたします。

Posted by art,seoul at October 12, 2005 08:28 PM